「ギターの上達方法がわからない」
「練習はしてるけど、なかなかうまくならない」
「これから何か新しい曲を練習したいけど、どう練習すれば。。」
そんなあなたの悩みに答えます。
✔︎本記事のテーマ
✔︎書いている人
この記事を書いている僕は、ギター講師歴8年ほど。
これまでに累計500人、現在も100人以上の生徒にギターを教えています。
✔︎本記事は、デカルトの「方法序説」”4つの規則”から学ぶ、ギター上達の方法、手順がわかります。
それでは、さっそく見ていきましょう。
デカルトって誰?
ルネ・デカルト(仏: René Descartes、1596年3月31日 – 1650年2月11日)は、フランス生まれの哲学者、数学者。合理主義哲学の祖であり、近世哲学の祖として知られる。
考える主体としての自己(精神)とその存在を定式化した「我思う、ゆえに我あり」は哲学史上でもっとも有名な命題の1つである。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
哲学者、数学者ですね。当時のあらゆる学問を学び、「何かを考える時に、どう考えるのが良いかということ」を考えた人です。
そんなデカルトが41歳の時に初めて公刊した著作が「方法序説」です。
僕も大変影響を受けた本です。
ちなみに100ページくらいなので、すぐ読めます。
ちなみにマンガ版もあります。
今回はこの「方法序説」から”4つの方法の規則”に沿って書いていきます。
以下、その部分の引用です。
論理学を構成しているおびただしい規則の代わりに、一度たりともそれから外れまいという堅い不変の決心をするなら、次の四つの規則で十分だと信じた。
第一は、わたしが明証的に真であると認めるのでなければ、どんなことも真として受け入れないことだった。言い換えれば、注意ぶかく即断と偏見を避けること、そして疑いをさしはさむ余地のまったくないほど明晰かつ判明に精神に現れるもの以外は、何もわたしの判断のなかに含めないこと。
第二は、わたしが検討する難問の一つ一つを、できるだけ多くの、しかも問題をよりよく解くために必要なだけの小部分に分解すること。
第三は、わたしの思考を順序にしたがって導くこと。そこでは、もっとも単純でもっとも認識しやすいものから始めて、少しずつ、階段を昇るようにして、もっとも複雑なものの認識にまで昇っていき、自然のままでは互いに前後の順序がつかないものの間にさえも順序を想定して進むこと。
そして最後は、すべての場合に、完全な枚挙と全体にわたる見直しをして、なにも見落とさなかったと確信すること。
デカルト『方法序説』より
「なんか難しそう〜。。」
という方、ちょっと待って下さい!
僕なりに1~4を言い換えてみました。
2.何か解けない問題があったら、出来るだけ細く分解すること
3.簡単なものから順番に進めていくこと、どんなに細かいことでも順番をつけること
4.見直しをし、見落としがないか確認すること
というように捉えています。
次からは1つずつ順番に詳しく見ていきます。
常識にとらわれず、本当にそれは正しいのか常に疑うこと
「どういう練習をするのが1番良いですか?」
こういった質問を受けることがあります。回答としては、
「わかりません。」
ということになります。
「いやいや、ギターの先生なのにそんな無責任な。。」
たしかにそうかもしれません。しかし、まずは”疑うこと”から始めなければなりません。
上記の質問を受けた際、まず僕は、
「自分にとっての”良い”と、質問している生徒さんの”良い”は違うかもしれない。。」
と疑います。
例えばこの生徒さんが初心者で、もしここで疑わずに、僕にとって”良い”と思う「初心者の方にとって、すごく難しい練習」を伝えてしまったらどうでしょう?それはとても無責任なことをしてしまっていると思います。なので、ここではまず”良い”ということを疑い、「その生徒さんにとって、本当に良いことは何か?」を考え始めるきっかけとします。そこからその生徒さんにとっての”良い”を一緒に探していくのです。
また別のケースでは、例えば、教則本やネット記事、YouTubeなどでギターを教えている人がいるかと思います。(このブログもそうですが。)
これもまず「本当は間違っているんじゃないか?」と疑って見ています。
もちろんそれらを作成している方を否定しているわけではありませんし、逆に言えば自分の方法を疑っているので、見ています。(日々勉強させて頂いています。)
いろいろな人の意見を聞くことは大切ですが、それを鵜呑みにしてしまっては、更に良い方法へたどり着くことはできません。
僕の場合はギターを教える立場なので、常に疑い、より良い方法がないか探し続けています。レッスンではもちろん現在、お伝えできる最前の方法をお伝えしていますが、その方法でさえ常に自分を疑いながら、更に良い方法を考え続けています。
”疑う”という言葉だけを聞くと嫌な印象を持つ方もいるかと思いますが、まずは”疑わなければ”より良い方法には繋がりません。
何か解けない問題があったら、出来るだけ細く分解すること
よく問題があった時に、「大きなまま、解決しようとしているなー」という人を見かけます。
例えば、
「〇〇っていう曲が難しくて全然弾けないよー」
「速弾きなんて難しくてできっこないよー」
「なんだか人生うまくいかないよー」(ギターも人生の一部。)
このような方いるんじゃないでしょうか?
これは問題を大きなまま解決しようとしてしまっています。
例えば、一見難しそうな曲でも、最初に見たイントロの部分は難しいかもしれませんが、実はみんなが歌いたくなるようなサビの部分はそんなに難しくなかったり、(実際にギターの楽譜だとパターンとして、そういうことが多いです。)
”速弾き”といっても、速弾きしやすいフレーズとしにくいフレーズがあります。
”人生”だって範囲が広すぎで、人生の中で「何がうまくいっていないのか」切り分けて考える必要があります。(仕事がうまくいってないなら、転職すればいいかもしれないし、友人とうまくいってないなら、距離を置いた方がいいのかもしれない。)
繰り返しになりますが、ギターでいうと”1曲”というのは範囲が広すぎます。
まずは、
・1曲を、イントロやサビといったパートに分ける。
それでも難しいなら、
・フレーズごとに分ける。
それでも難しいなら、
・1小節ずつに分ける
それでも難しいなら、
・難しい部分の2つの音に絞って、その繋がりだけを練習する。
それでも難しいなら、
・難しいある1つの音の弾き方だけに気をつけて練習する。。。
とキリがないので、このくらいにしますが、このように練習していて「難しいな、できないな」と感じたら、どんどん分解していきます。
「そうはいってもどう分解すればいいかわからないよー。。」
という方もいるかと思います。僕がレッスンで生徒さんを見ている時は、”このどこのポイントで切り分けるか”を見定め、やり方を説明しています。(ちょっと宣伝みたいになりましたが、もし相談したい方(ギターに限らず)がいれば、TwitterのDMからどうぞ。)
簡単なものから順番に進めていくこと、どんなに細かいことでも順番をつけること
簡単なものから順番に進めていくこと
これは1つ前の”何か解けない問題があったら、出来るだけ細く分解すること”と連動している感じかなーと個人的には思っています。(デカルトに詳しい方いたら、教えてください!)”分解”した上で、簡単そうなものから順番に進めていく。
日本人の気質なのか、皆さん真面目だなーと感じることが多く、レッスンをしていても、
「まず曲をやる前に、教則本で一通り練習してからですよね?」
とか
「基礎を全てできてからでないと、好きな曲はできないですよね?」
とか聞かれることがあります。
ここでいう”簡単”とは少し僕の捉え方は違うのかもしれませんが、僕の中では
”簡単=演奏する難易度が低い”というだけのことではなく、
”簡単=演奏する難易度の低さ×本人のやる気(その曲が本当に弾きたいかどうか)”だと思っています。
なので、多少曲の難易度が高くても、本人が「絶対に弾いてやる!!」という感じであれば、そちらから先にやっていっても良いと思いますし、反対に同じ曲でもその曲に興味がないのであれば、”難しすぎる”(=ここでいう”簡単”の反対)ので、難易度の低い(簡単な)基礎練習からやるべきかもしれません。
どんなに細かいことでも順番をつけること
こちらはについて、僕がやっていて「ギターの上達に役立っているな」と思っていることは、”スケジュールにどんな細かい予定でも書く”ということです。
「え、なんでいきなりスケジュール?」
と思った方もいるかと思いますので、詳しく解説すると、例えば僕のスケジュールには、仕事や誰かとの予定ももちろん書いてありますが、それ以外にも、個人的な予定”睡眠、起床、ギター練習、勉強、見たい番組を見る、寝る準備、移動時間、自由時間”など基本的に全ての時間にスケジュールを書いています。(今は書いていないですが、一時期は”トイレに行く”とかも予めスケジュールに書いて決めていました。)
「え、なんだか大変そう。。」
と思うかもしれませんが、僕にとってはその都度その都度、順番をつける方が大変だと感じています。(例えば、今やってるテレビ見たいけど、ギターも練習しなきゃ→この場合どっちを優先するか順番をその時つけるのは大変)
なので、予め決めておいて、あとは”淡々とそれをこなしていくだけ”というようにしています。
100%じゃなくても良いので、自分の中で「これはスケジュールに書くまでもないかなー」と思っていたことを書くようにしてみると、意外とその通りに動けるようになってきます。(1人でギターを練習する予定も先にいれちゃいましょう!)
ちなみに少し脱線しますが、もしこの時にスケジュールが守れなくても、”気にしない”ことも大切です。(”気にしない”については、【これで上達!】ギター練習のモチベーションを上げるための4つの方法【ギター以外の練習にも効果あり】もあわせてお読み下さい。)
見直しをし、見落としがないか確認すること
”見直しをしましょう”ということですね。
これはなんとなくわかりやすいんじゃないかなと思います。
ギターの練習でも、意外と抜け落ちてしまっていることがある時があります。
例えば、
というようなことがあったりすると思います。
このような場合でも、見落としがないか全体を見直しておけば、
→曲全体も見て、練習しておく。
→MCも含めて、通して練習しておく。
というような対策が取れると思います。
もっといえば、ギターを弾くこと以前にそもそも、”ちゃんと健康的な生活ができているか?”とか”ギターを弾くために十分に時間や環境は準備できているか?”などと見直してみることも”見落としがないか確認すること”になると思います。
さいごに
いかがだったでしょうか?「方法序説」の”4つの方法の規則”からギターの練習、演奏に活かすべきポイントは見えてきたでしょうか?
もし日々の練習や生活が「うまくいっていないなー」と感じる場合、これらの”4つの方法の規則”を順番に確認し、どこで引っかかっているのかを探してみてください。きっとあなたの助けになるはずです。
また、この1~4は、1周で終わりではなく、4まできたら、”見直しつつ”また”疑っていく”(1~4をグルグル回す感じ)だと思っています。
もし「具体的にどう置き換えればいいかわからないよー」という方はTwitterからお気軽にDMしてみて下さい。お役に立てれば幸いです。
今回は以上です。
今日も最後まで読んで頂いて、ありがとうございました。
おまけ
この“記事を読む”という問題においても“4つの方法の規則”は活用することができます。以下、考え方のヒントになれば幸いです。
1.疑う
「私はこの記事を読む必要があるのだろうか?読むメリットはあるのだろうか?」(※それでも読んで頂いたなら、嬉しいです。ありがとうございます。)
「この〇〇って部分は本当にそうなの?怪しい。」
2.細かく分解する
「とりあえず全体をさっと見てみるか」(←これも分解だと思う。)
「今日はこの見出しだけ気になったから、読もう」
「このキーワードだけ覚えておこう」
3.簡単なものから順番に
「1つ目の見出しはあんまり共感できないけど、2つ目はまだ気持ちわかるから、とりあえずそこから読んでみよう」
4.見直し
「ちゃんと自分が思っていることと書いてあることは合っているか、もう1度確認してみよう」
「本当にこの記事に書いてあることは正しいのか、調べてみよう」(←ここまできたら”1.疑う”戻る感じ)
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